頃安社長

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 先日のNHKニュースで、「オリンピック・レガシー」の解説を行っていた。IOC(国際オリンピック委員会)が定めた「オリンピック憲章」に、「オリンピック競技大会のよい遺産(レガシー)を、開催都市ならびに開催国に残すことを推進する」と記載されているそうである。

「レガシー」とは聞きなれない言葉だが、「長期間続くプラスの効果」のことを言うそうである。つまり、特に昨今の我が国では、「今から50年前に開催された東京オリンピックがもたらした、有形無形の様々な波及効果」のことを指すわけである。

終戦から19年、復興を経て着実に高度成長に向けて歩み始めた1964年に開催された東京オリンピックは、同年開通した東海道新幹線などと共に、「復興と成長のシンボル」として、特に50周年となった昨年、様々な機会に語られてきた。まさにこの「復興と成長のシンボル」こそが、最大の「有形のレガシー」であったことは疑う余地はない。

 一方、戦後の教育の中で、「日本は戦前悪いことばかりした」と教えられ、母国に自信が持てなくなりつつあった日本人に対して、「ニッポンがんばれ!」と堂々と応援し、優勝者を称える日の丸と君が代の前で、「日本はまだまだやれる!」との自信をもたらしたことは、前者に勝るとも劣らない「無形のレガシー」であったと言えよう。

 翻って、1000年以上の歴史を有する畳…これこそは、長年に亘って私たち日本人に、素晴らしい生活と、憩いと、ゆとりと、潤いの空間を与え続けてきてくれた。これを「タタミ・レガシー」と名付けるならば、これに勝るレガシーは簡単には見つからないのではないか?

 「ニッポンがんばれ!」「日本ならではの、おもてなし!」…これから2020年の東京オリンピックに向けての盛り上がりは、「日本らしさ、日本人らしさの再認識」「畳を中心とする和風居住空間への回帰」の盛り上がりと見事に符合する。つまり、「タタミ・レガシー」の再認識である。

 「ニッポンがんばれ!」これは「畳業界がんばれ!」の掛け声でもある。

 「タタミ・レガシーの再認識」と「畳業界の活性化」…当社は今年も、この使命達成のために、精一杯の努力をいたします!

                                                      代表取締役社長 頃安 雅樹